循環器内科

循環器内科とは

循環器内科

心臓は全身に血液を送り出す生体ポンプとして、非常に重要な役割を果たしています。私たちが寝ているときも、休むことなく全身の至るところに血液を送り出しているのです。
そして、酸素や栄養素を送り届けた血液は、体中を巡って再び心臓に戻ってきます。この一連の心臓・血管系システムのことを循環器といいます。
循環器内科では、心臓や血管に生じる様々な疾患を扱います。

心臓の異変には注意が必要です

私たちは、日常生活のなかで心拍数が変化することが結構あります。緊張したり、運動を行ったりするときには脈拍数が大きく変化し、心臓に負担がかかっていることもあるのですが、通常は特に問題とはなりません。

しかし、心臓に関する異変は、大きな疾患が潜んでいることもあるのです。すぐに適切な治療を行わないと死に直結することもあるので、気になる症状が見られたときは、一刻も早く循環器内科を受診しましょう。

循環器の主な症状について

循環器の主な疾患

不整脈

心拍数は、安静にしているときは緩やかに落ち着いていますが、激しい運動などを行うと非常に速くなります。しかし、このような原因がないにもかかわらず、心拍数が速くなったり、遅くなったり、不規則になったりすることがあります。これが不整脈です。主な原因は、冠動脈疾患や心臓弁障害、心不全などの心臓関連疾患ですが、甲状腺異常や肺に病気がある人も不整脈になりやすい傾向があります。この他、老化や体質的要因、精神的ストレス、睡眠不足、疲労などによって引き起こされることもあります。

狭心症

狭心症は、動脈硬化などによって冠動脈の血流が足りなくなり、心筋が一時的に酸素不足になる病気です。幾つかのタイプがありますが、よく見られるのは、階段や坂道を上ったとき、急ぎ足で歩いたときに心臓に異変が生じる「労作性狭心症」です。

激しい運動の際には誰もが息を切らしますが、狭心症の場合は、軽い運動や日常生活の中でも息が切れるようになり、胸の中央部が締め付けられたり、何かを押し付けられているような圧迫感を覚えるようになるのです。通常はしばらく安静にすることで圧迫感などは収まります。
しかし、病状が進行すると、痛みが左肩や腕、顎などに広がったり、みぞおちに痛みが発生したりします。

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の筋肉が壊死してしまう危険な病気です。動脈硬化などによって冠動脈が詰まってしまうと、その先の血流が滞り、心筋に酸素が供給されなくなります。これにより、心筋が死んでしまうのです。心筋梗塞になると、激しい胸の痛み、呼吸困難、冷汗、嘔吐などの症状が現われます。強い苦しみにより、医療機関に救急搬送されることもあります。一刻を争うケースも多く、緊急手術などを行いますが、予後が厳しい症例も少なくありません。

動脈硬化

動脈硬化は、血管の内壁にコレステロールなどが溜まることによって血管が硬くなる状態です。血管のしなやかさが失われるため、全身の隅々まで血液を運ぶ際の負担が重くなり、心臓疾患のリスクも増えていきます。

また、動脈が硬くなると、血管の内側にコレステロールなどが付着しやすくなり、粥腫が形成されます。そのため、血管内が狭くなって酸素や栄養を全身に行き渡らせることが出来なくなり、様々な病気の原因ともなります。病状が悪化する前に医療機関を受診し、食事療法や運動療法、薬物療法を受けるようにしましょう。

心臓弁膜症

心臓は右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋に分かれており、左右の心室の入り口と出口には血液をうまく循環させるための弁があります。心臓弁膜症は、この弁の開閉がうまく行われなくなる病気です。弁の種類や障害の状況によって様々なタイプがあるのですが、特に多いのは左心室の入口にある僧帽弁と、出口にある大動脈弁に生じる疾患です。高齢の方や動脈硬化などの病気を患っている方は心臓弁膜症のリスクが高まるので、特に注意が必要です。

心不全

心臓に何らかの異常が生じることにより、呼吸困難や倦怠感、浮腫などが出現し、その症状がだんだん悪くなって生命を縮める病気です。心不全になると、心臓のポンプ機能が低下するため、動悸や息切れ、咳、息苦しさ、疲労感、足のむくみ、四肢の冷感、食欲不振などの症状が出てきます。このような心不全の兆候が見られたときは、お早めに循環器内科を受診し、出来る限り悪化を食い止めるようお勧めします。